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20130625

20136/25

実はお客様に聞く体制をとっていただく事が難しい

店販が苦手な美容師さんの代表的な理由の一つ目が、「どのようなきっかけでトークを始めたらよいか?その間合いや会話の流れがつかめているか・いないか」だと本書では指摘させていただきました。

仮に、「ビューティカウンセラー」という職務担当者がスタイリストとは別に存在し、デザインのカウンセリングに入る前に、髪や肌の質感アップの話題をお客様に提供し、ある程度盛り上がったところで、「では、担当スタイリストに相談してみましょう!」と引継がれたと考えてみると、恐らくは何の問題もなく、最高の環境(お客様が聞く体制になっている)でトークが弾むと考えられます。

変形パターンですが、私は実際に現場でこれをやってみたことがあります。

お客様に、「すいません、私メーカーの者なんですが、髪の毛が傷む一番の理由って何だかご存知です~?」このように全てのお客様に質問したのです。

別に売り込もうとか、分からせてやろうとか、そういう押し付けがましい気持ちは全くなく、純粋に「お客様は髪が傷む理由を知っているのだろうか?」との思いで聞いて回った次第です。

すると、「カラー」、「パーマ」、「ドライヤー?」などと答えが返ってきます。17年も前の事ですから回答が少し古いとは思いますが、「シャンプー」という回答をされるお客様は皆無でした。それにしてもゼロとは・・・と思い、

「実はですね、一番の理由は、毎日している事の中にあるんですよ。だって考えて見れば、体って毎日繰り返しする事で良くも悪くもなるじゃないですか~。1 回ぐらい食べ過ぎたって太る事は無いですけど(胃もたれはしますが)、適量を少しでも超える食事量を毎日続けたら太ったりしてしまうじゃないですか~、で すから毎日している事の中に一番の原因があると考えて見ていただきたいんです」

「何だと思います?」

すると一番の回答は、「ドライヤー」と返ってきます。

そこで、「ドライヤー」や「乱暴なブラッシング」も原因の一つになると思いますけど、一番ではないんです。他に、何か考えられます?・・・と再度尋ねます。

すると、「もしかしてシャンプー?」という答えがようやく導き出されます。

「昔みたいに、1週間に2回しかシャンプーをしない時代だったら一番の原因にはならなかったかもしれないですけど、今は皆さん、毎日シャンプーしますで しょ~。多い人なんかは朝もシャンプーし、夜の入浴でもシャンプーするわけです。もしかするとシャンプーの頻度が多くなったから一番の原因に浮上してきた のかも知れませんね。ですから自分の髪にあったマイルドな刺激のシャンプーを選ぶようにしてくださいね!」と言って私の話しは終ります。

すると、「どんなのを選べばいいの?」と多くのお客様から質問が来ました。

そこで、「こちらのお店の美容師さんは、毛髪やシャンプー選びについても凄い勉強されていますから相談すればしっかり教えてくれますよ!僕から話しておきますから相談してみてくださいね」・・・「店長~、ちょっとお願いします~」

こうやって、お客様の「聞く体制」を整えてから美容師さんにバトンタッチすると、恐るべき高確率で商品が売れていくようになったのです。

このことから、「どのようなきっかけでトークを始めたらよいか?その間合いや会話の流れがつかめているか・いないか」という点は、「お客様に聞く体制をとっていただく事が難しい」と表現する事が出来ます。

「髪の毛」や「肌」がもっときれいになる「最新の情報」、「本当の情報」に女性は敏感に反応します。疑いを持つお客様もいるかもしれませんが、それは逆心 理と考えてください。美容に関心が無いお客様はそもそも反応が薄く、疑いなどと言う煩わしい感情を宿す事もありません。「疑いを持つ」=「関心があるので 騙されたくない」という本心の裏側を読み取ってあげて欲しいと思います。

「きれい」の情報は、それ自体が楽しく嬉しく興味が湧く話題です。それを気持ち悪いコミュニケーションに乗せてしまうのは、「売りたい」という心理です。何度も本書でお伝えしているように「買いたい」人にしか「売れない」のです。

ですから「売りたい」という心理は捨てて、楽しく「キレイの情報交換をしましょう!」というポップでライトなスタンスが必要だと私は思っています。そう やって楽しみながらキレイ情報を交換する事で、勝手に「買いたい」というお客様が現れるものです。それこそが楽しい店販の醍醐味です。

つまり、楽しく話をしていくだけで次々に売れていく!
そういう店販の世界の住人になっていただきたいと心から願います。

尚、先ほどのトーク例は、いまだに話のきっかけとしては面白い話題ですから活用してみる事をおススメします。

20131111

201311/11

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